番号が少なくなるほど、生地が厚くなるのが帆布の世界。例えばご家庭の手芸で使われるのが11号。一般的なバッグで使われるのが8号。厚物と呼ばれ、ヘビーデューティーなバッグや体育館マットに使われるのが6号。そして圧倒的な素材感に惚れ込み、屋島工房でよく使うのが、極厚の4号。ここまでくると生地端の処理や、重ね縫いが困難になるため、工業用ミシンといえども簡単には縫えなくなります。
もはやバッグにするには、四号帆布が限界かと思っていたのですが・・・、二号帆布を実際に触ってみると、これがなかなかの存在感。例えて言うならタコ糸のような太さの糸を縦横に組み合わせて編んだようなもの。シルキーな光沢があり、ずしりと重く、手触りも素晴らしい。ただし値段は倍ほどに・・・(それだけ綿をつかっているのですからね)。
二号帆布は、もともと完全工業用の綿生地。例えばベルトコンベアのベルトに使われるほどの強度があります。しかも海外の織機では織れないため、古き良き時代から使われてきた日本の織機が重宝され、いまだに純日本製で作られている生地でもあります。
そんなに良い生地なら、じゃあバッグ作りましょう・・・となるのですが、問題なのが、裁断・縫製といったこちらの加工側。とても硬いので、なるべくシンプルな仕様にして縫製点数を少なくするしかないのですが、ただ単に生地に取っ手を付けたようなバッグじゃ、ありふれていて面白くない。
何度も試行錯誤を繰り返して、ようやく納得行く形になりました。屋島鞄初の試みとしてストライプのテープと、ちょっと彩りを加えるために底部に六号帆布を組み合わせました。それでも寂しいので内貼りには、鮮やかな綿のチェック生地を採用しました。
大きさは、男性が持っても少し大きいトートバッグ仕立て。遊び道具でも仕事道具でも、乱雑に詰め込んで、外に出かけましょう・・・というイメージで作っています。ぜひ、極厚の帆布の世界を試してみてください。
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